からだの教室（野口体操をベースにしたワーク）

『からだの教室』の動きの理論は”野口体操”をベースに取り入れています。”野口体操”とは、東京藝術大学名誉教授であった、故 野口 三千三（みちぞう）先生が提唱した体操で、からだを柔らかく、しなやかに操作することを提唱した運動理論として先駆的な存在です。

体操の概念として「自分自身の生身のからだの動きを手がかりに、今ここで直接体験するからだの中身の変化の実感によって、人間（＝自分）とは何かを探検する 営み」とし、骨格と筋肉で構築された解剖学的な身体観を見直すことから始まり、「やわらかさとは、変化の可能性の豊かさ」と捉え、”滑らかな動き”を重視 しています。

「力の抜けた状態こそ生きている人間のからだの有り方（動き）の基礎感覚であるべき」ということで、重さを重視して感覚を開き、「力まず、 焦らず、他人と比較せず」に自らの変化を楽しむことで、生き物としてのみずみずしさを取り戻す。そして体操を続けることで、あらゆる場における“しなやかな 生き方”に通じる基礎、基本的な感覚を養うことにつながっていきます。

哲学的に難解な部分のある野口体操ですが、実際に動いているその時は、考え込まない方が野口体操の本質を掴みやすいと思われます。

故 寺山修二さんの演劇実験室「天井桟敷」という劇団で活動されていた三上宥起夫先生と、暗黒舞踏の創始者、土方巽さんのお弟子さんである三上賀代先生のお二人が、神奈川県の 大磯にて『とりふね舞踏舎』という舞踏団体で活動を行っています。
そこでの踊りの基礎として、そして一般の方の健康のために野口体操をベースにした“からだほぐし”、“こころほぐし”という位置付けで「からだ の教室」をはじめられました。
調体和塾“い　座”では、両先生に御指導を受け、「からだの教室」の教えを通して、野口三千三先生の思想と実践法を学ぶ、関西での教室として活動しています。