これまで温法のシリーズで、
温法の全体像から、温湿布のやり方、具体的な温湿布、
部分浴について悦明してきました。
温湿布や部分浴以外でも温める方法が有りますので、
少し手間がかかるものですが、ご紹介しておきます。
尾骨も温めます。
尾骨は、頭の過敏やテンカン等、月経の時などに使います。
尾骨を温めると、非常に気持ちよく、落ち着いてきます。
ホットタオルでの温湿布でも良いですが、
効果的なのは焼き塩温法です。
これは、塩を焼いて和紙に小さく包み、尾骨を温めます。
最初は非常に熱いので、
尾骨と焼き塩の間に紙を数枚置いて適温で温め、
徐々に紙を減らして適温を保ちます。
お腹も温湿布でも良いのですが、
より効果的で特徴的な温法をご紹介しておきます。
お腹の働きを活発にするには、
おへその周りを焼き塩で温めます。
逆に、下痢などで胃腸の働きを鎮めるには、
炊き立てのごはんで温めます。
火傷をしないように、熱すぎたらすぐに離して下さいね。
最後に、通常のお風呂ですが、
お風呂も、体を整えるために入ります。
体を洗うためというよりも、
エネルギーの調整が一番の目的になります。
その時に一番の問題になるのは、”適温”です。
「適温は〇〇度です」
と言ってしまった方が分かりやすく、
皆さんも知りたいところでしょう。
しかし、体は日々変化するので、
これは自分の体感で見つけるしかないですね。
(疲労が激しい時は熱めの湯が快適です。
偏りのある時は,普段よりぬるいぐらいぐらいが気持ち良い、
この場合は、上がるときに2度程熱くしてさっと出る。など)
そして、湯舟に入る時に、
まず手で湯を混ぜると、まろやかなお湯になります。
そして、その湯で顔を洗います。
顔を洗って温めると、
全身がその湯に馴染む準備が整います。
その後、体を洗います。
湯舟に入る前に身体を洗う方が良いです。
一度入ってから出て洗うと、
体がたるんで、皮膚の張りを無くしてしまいます。
時間帯は、,朝風呂で体を引き締めてから1日を始めるというのが良いです。
でも、朝は忙しいので難しいですよね。
夜であれば、食事前に入るのが良く、
食後すぐは心臓に負担が掛かります。
寝る前も、真冬以外は冷えの原因になり、
風邪にもつながったりします。
手短にサッと入るのが良く、
大人だと朝で1~2分、夕方以降だと5分くらい適温で入り、
汗をかいたり体が弛む前に出ると体が引き締まり、
風呂から出た後にポカポカしてきます。
ぬるいお湯に長時間浸かっていると、
脳溢血を起こしやすくなります。
温泉などで、ぬるい湯に入る場合は、
前もって水をかぶっておいて早めに出ると良いでしょう。
最近は湯舟には入らず、
シャワーで済ませる方も多いと思います。
掃除もめんどくさいし、湯舟に浸かるのは、
ハードルが高く、感じるでしょう。
その場合、足湯をしながらのシャワーにしたり、
シャワーの湯を少し熱いかなと感じるくらいの温度にして
不調部位に当てると良いでしょう。
温法のシリーズでは、
温湿布や部分浴・お風呂と、温めることについて書いてきました。
これらは、あくまでも痛みや熱を 治す”ためのものではなく、
身体の働きを高める”、あるいは、
身体の機能を戻す”ためのものです。
そのため、それ以上に熱が必要なければ
そのまま痛みが引いたり熱が下がりますが、
まだまだ必要な場合は、
治そうと思ったのに痛みが激しくなった・
熱が上がったということも有ります。
そして、痛みが激しくて我慢できない場合など、状況によっては、
身体を鈍くするために冷やす”ということも、臨機応変にして下さいね。
炎症や発熱の時に温めるって、
常識とは違うので初めは勇気がいります。
まず、あまりひどくない時に実際に自分の身体でやってみて、
からだの変化を身をもって感じてみって下さい。
身体への信頼が生まれてきます。
それが、自分の身体を育てることになります。
(整体の体育としての面ですね)
お子さんの場合は特に不安でしょうから、
自分の身体でまず実感を得て、
それからにすると良いでしょう。
子供の身体を育てると共に
子ども自身が身体への信頼感を得、それが
自分自身を信じる”という非常に重要な教育となります。
特殊なお風呂の入り方も有りますが、それは、また改めて。
温めるということを日常に取り入れて、
快適な生活の一助になればと思います。