おとあそび工房からは、少し、話が離れますが。
私が、関西支部の代表をしている「からだの教室」は、
野口体操をベースにしている。
そこでは、“力の抜けた状態”こそ
「生きている人間のからだのあり方(動き方)の基礎感覚であるべき」
としている。
一般的には力を入れて筋力をつけることを目差す。
筋力をつけるための息抜きとして、
力をぬく、筋肉を休める、あそびをつくる。
逆に野口体操が目差しているのは、
力の抜けた、やわらかな、通りの良い状態。
この状態だからこそ力が出る。
力を入れることを仕事と同義に見ると、
ゆるむことは、あそぶと同義になる。
健康産業が盛んになり、
リラクゼーションの重要性や、
からだをゆるめることが注目されても、
それが生活の中心になることはない。
勉強・仕事や生活で頑張るため。
野口体操では、「仕事とあそびの同居」と言われる。
「仕事をして、疲れを癒すために休む」
あるいは「仕事を頑張るために休んでおく」ではなく、
「仕事をしながら休む」「休みながら仕事をする」
動きとしては、無駄な力を使わない。
必要な所だけに力を出し、それ以外は休んでおく。
休んでいる所は、次に力を出せる準備ができている。
だから無駄に疲れない。
休んでいるから動ける。
休む・あそぶことが力を発揮できる前提条件としてある。
(撮影:中島諒)