おとあそび工房の振り返りの会、
いよいよ最終章です。
もう一人のゲスト、山内朋樹さんから、
ジル・クレマンの「動いている庭」の説明がありました。
そこでは、人が考えるように、思うように、
植物を剪定したり、雑草や外来種を間引いたりすることなく、
それぞれの植物の特性の添ってそのままにする。
それは、ほったらかしにすることではなく、
全く剪定したり間引いたりしないという事でもない。
その植物、固有の成長しやすい特性が発揮できない状況になると、
移したり切ったりする。
その背景には、クレマンの虫好きがあり、
除草剤や殺虫剤を使わない。
虫や植物に対する生命観がある。
それは、大きくは、人間関係や、社会的な思想であるという。
そこから、「共生の美学」という観点で、沼田さんが話をされた。
おとあそび工房では、
「障がいのある人と共に創る新しい表現活動」という説明がある。
混合した種を蒔き、生えてきた植物の集まりを、
その成長に合わせて整えながら庭を造る「動いている庭」。
混合した種が、おとあそび工房では、
障がいのある人、ない人、音楽の得意な人、踊る人、
絵、歌、子供などといった多様な種と重なったのであろう。
その、多様な種が、それぞれの力を発揮し、
それぞれが活き活きとした、
面白い表現になるかもしれない状況をある程度設定し、
そこで何をするかは、その種に任せる。
植物の成長に合った場所に移し変えて整える「動いている庭」
かなり共通した概念であることが分かる。