毎月、第三土曜日に開催している講座、
「からだの教室withわ塾〜野口体操をベースにしたワーク〜」
を主催して頂いている「わ塾」の宇高さんが年末に宇高
フェイスブック上で嬉しい文章を書いて頂いたので、ご紹介させて頂きます。
その前に私の前書きを。
前書きは飛ばしても、
是非引用察せて頂いた文章を読んで下さいね。
『原初生命体としての人間』を読んで衝撃を受け、
野口三千三先生の思想と、それを表現しているであろう自分の”からだ”を求めて、
三上宥起夫先生のワークショップと、その稽古会に参加しはじめた。
教室をやり始めて本町に移り、
まだまだ初期のころに宇高さんは声をかけてくれて、
当時の〇塾で教室をさせて頂くようになった。
もう10年か。
三上先生のワークショップで最初の頃に聞いた
「負けて、参って、任せて、待つ」という言葉。
それを実感していくのに時間がかかり、めちゃくちゃ時間がかかり、
未だに遠い道のりの中に居る。
なかなか実感できずに頭の隅に置きながら教室を続けてきました。
少しは自分自身の身に染みていて、参加されている方々に感じて頂けていたようで。
有難いことです。
三上宥起夫先生の「からだの教室」の名前を使わせて頂いており、
”教室”とついているのに何も教えていないような気もしていましたが、
それでも何かが伝わるのだなと。
何か受け止めて下さっているのだなと。
以下、宇高さんの文章です。
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◯塾のときからかれこれ10年、
「からだの教室〜野口体操をベースにしたワーク〜」を
講師の白藤さんに続けていただいている。
白藤さんは参加者の方々にあれこれと指示しない。
参加者の方のからだにどこか無駄な力みが入っているときなどに、
そっとそこに手を添えて力みに気付かせてくれる、
あるいは力まず楽に動く方向を示唆してくれる。
その日の教室の方向性をがっちり決めて
そちらに無理矢理誘導することもしない。
もちろん「今日はこれをやってみましょうか」と、
最初から提示してくださることもあるけれど、
それとてごり押しは決してしない。
大抵の場合はその日の参加者の方々のからだの状態などを見て、聞いて(貞いて)、
その都度柔軟に流れを作ってくださる。
最近、私自身がやっている「講師」という仕事を鑑みながら思うことがある。
それは、(講師なども含めた)人を支援・援助する仕事に携わる上で大切な姿勢の一つとして
「待つこと」が挙げられるのではないか、ということ。
こう書くと、
「相手を無理矢理誘導しようとせず、相手が自ら変わるのを待つこと」
を指していると思われるかも知れない。
もちろんそれもある。
しかし、それはそれで随分と偉そうな態度ではある。
「相手が『変わるのを待っている』というお前はいったい何様なんだ」と。
ここで私が「待つこと」という言葉で表したいのは、
「相手が変わろうが変わるまいが、
能力があろうがあるまいが、
たとえどんな苦境に立たされようが、
私はあなたの横にいますよ」
という姿勢のこと。
この10年で私自身のからだが一体どれだけ変わったのか、
それをはっきりと言葉にしろと言われるといささか心許ない自分がいる
(変わったか変わっていないかでいえば、
生き物なのだから変わったに決まっているのだけれど)。
白藤さんには、「からだの教室」を通じて
これまで何度も繰り返し繰り返し同じことを教えてもらってきた気がする。
よくもまぁこんな出来の悪い受講生に
呆れもせず見捨てもせず気長に付き合ってくださるな、
と心底感心もするし感謝もしている。
そしてそれと同時に、
教える側の人間としての大事な資質も教えてもらってもいる気がする。
それは、「野口体操」の根底にある姿勢、
「信ずるとは、負けて、参って、任せて、待つ」ということ。
白藤さん、
参加者の皆さん、
今年も一年ありがとうございました。
来年も、勝とうとせず、力まず、無理せず、ゆったりのんびりといきましょう。
どうか皆さん、良い年越しを。
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この文章を頂いて白藤が返したコメントです。
宇高さん。
いつもこれで良いのかなと思いながら
宇高さんの度量で続けさせて頂いていると思っています。
講座の具体的な内容だけでなく、
全体として野口体操を表現できればと思っているので、
こんなふうに感じて頂いているのは嬉しい限りです。
直接指導を受けていない私を通して、
三千三先生の野口体操をどこまで感じて頂けるか、
いつも不安ですが、
皆さんがそれぞれ大切な何かを見つけて頂けるよう、
これからも場を提供して頂けると嬉しいです。
年が明けてしまいました。明けましておめでとうございます。
今後も宜しくお願い致します。
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そしてそれに返信してくれた宇高さんのコメントです。
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いえいえ、こちらの方こそ気長に付き合ってくださっていることに
本当に感謝しております。
これもきっと「学び」という場全般に通じることのような気がしますが、
何より大事なのは
「野口体操というものを通じて感じたものを伝えていきたいという志(方向性)」
そのものなのだと思います。
野口三千三先生がやっていたことを
100%の純度で伝えていくのはきっと
三千三先生のそもそもの意志に反するでしょうし
(というか不可能ですし)、
教える側も教わる側も、
身体というなまものに向き合いながら実験を続けていくという、
いつも白藤さんが整体や武術の知恵なども織り交ぜながら
さりげなく作ってくださっている道筋(方向性)
こそがとても「野口体操的」なのではないかと私は思っています。
ですので自信を持って今後もお付き合いください、
いや、自信なんか持たず(笑)我々といっしょに
ゆらゆらと揺れながら気長に実験を続けて行ってください。
ということで、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
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さらに最後、私が返信いたしました。
そうですね。「実験を続けて行こう」ですね。
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この経緯を含めて、ブログに残させて頂きました。
野口三千三先生の残された、からだから探求した思想・思いを、
三上宥起夫先生が消化した「からだの教室」
その関西支部として続けて行き、
繋がっていけばと思います。