芝居を観に行き、パントマイム教室のチラシが目に止まり、
パントマイムに飛び込んだ。

 

それによって、数年前までは全く想像していない方向に進んでいた。

自分の都合で考えたおかしな理屈が、
結果的にその後の考え方の中心になっていた。

「みんなと同じ事をしていては、
絶対に勝てる能力のある人間ではない。
それを人の何倍もやって対等になる程の根性もない。
違う方法を考えて、それを選ぶ。」

大学受験も、2校の合格が有って、
少し悩んだ。
(自分の中では決まっていたと思う。
電話でいとこに相談した時にもそう言われた。)が、
「普通の大学に行っても仕方ないだろう」と、
一般の大学ではなく、芸大を選んだ。

 

 

大学で空手部に入ったが、
やはり、どんくさい。
段位を取得した頃も、
「普通に練習していても同じ練習している人に絶対に勝てない」
と思った。
(他の大学とは練習時間も全然違ったが。)

 

 

空手部には、たまにOBの先輩方とお会いする機会があり、
その中でお一人が、
「野口体操」というのが有って…」と。
「おや?聞いたことが有るな」とおもっていた。

同時に武道自体に対しても、
体力・瞬発力・体格・力ではないものが有ったはずだと疑問が湧き出ており、
「秘伝」(当時はB5版)という雑誌を見つけて
寄稿している先生方の文章を
「なるほど」と思いながら読んでいた。
(そこには、のちに野口整体を教えて頂くことになる
河野智聖先生の名前もすでにあった。)

 

 

そこで、パントマイムのチラシを見つけた時と同じように眼に焼き付いたのが、
日野晃先生の記事だった。
鍛えて力や技を獲得していくのではなく、
自分の身体の感覚・相手との関係の感覚を
鋭敏にしていくといったことが書かれてあり、
ぼんやりと考えていたことが、
明確に、理論的に書かれていた。

 

 

今思うと、非常に前後的だったなと思うが、
祝日毎に行われている講習会に申し込んだ。
バリバリ緊張したがメチャメチャ面白いと思った。
そして、その後(野口体操に関わり始めた後)、
日野先生が出版された本の中に、
野口体操の事が少し書かれてあったのだ。

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