で、パントマイム教室に参加しようと決めたのです。
毎回の支払いにすると、途中でやめてしまうかもしれないと思い、
1年一括で申し込んだ。
これはさすがに親には言えず、姉にお金を借りた。

初めての教室は、緊張してたんでしょうね。
何をしたのか覚えていない。

ただ、他人を羨望と羨みの眼で見る浪人生の曲がった根性で
(この辺りで初めて出会ったかみさんは、
「眼付悪いなと思った」と後に回想してました)
入って行ったにもかかわらず、皆さん、温かく迎え入れてくれた。

もう何年もやっているベテランさんや、
パントマイムをやりたくて来た人達(当たり前)の中で、
興味も知識もない私との壁を感じたが、
続きそうだなとは思えた。

それが、楽しいなと思えるようになっていき、
その楽しさが上手く行ったのか、
大学にも受かることができた。
パントマイムを初めて1年が経っていた。

その発表会で初めて作品を作り、一人で舞台に立つ。
今思えば、この時点で
1年少し前までは思いもよらなかったことをしていたのだ。

もちろん、舞台も、舞台を作る中での人との関わりも楽しかった。
が、大きな意味を持っていたのは、そこではなかった。

頭もよくない、運動もどんくさい、
中学生の時に腎臓を壊して身体も丈夫ではない。
何もない自分を棚に上げて世の中の不条理に文句ばかり言い、
物事を斜めに見る。(めちゃめちゃ捻じれてました)
かなりすさんでたんですね。

それが、それが。
今まで経験も興味もなく勢いだけで飛び込んだ世界で、
面白いと思ってくれる人が居た。
評価してくれた人が居た。
それを引き出してくれた先生方が居た。
引け目を感じさせないで、同じ目線の教室の生徒さんたちが居た。

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